A Missing One 第2話『朝、変わらない日常』その2
黙りこんだ柏戸に俺は多少の小気味よさを感じながら視線を前に戻す。
歩道添いに木が立ち並ぶこの道は、大通りからは少し外れていて、通勤時のこの時間でもあまり車通りは多くない。
ここから学校へはおよそ徒歩10分の距離で、自宅からはちょうど中間地点ほどの場所にある。
…まだ柏戸は黙りこんだままなので今度は近くを歩く同じ学校の女子生徒に目を向けた。
白色のセーラー服に紺のスカート。スカーフを巻き白のソックスをはいている。いわゆる典型的な型の制服と言えるだろう。
男子からも女子からも大した人気のない制服であり、俺も別に興味がない。
「典型的だからこそいいんだ!」
という柏戸のような一部のマニアを除いての話だが。
そういう男子はと言うと、これまた特に変わった所は
なく、白のカッターシャツに黒ズボンという特徴のない姿である。
(まぁ、男子の制服なんてどこも同じようなものかもしれないな)と思いながら俺は自分の制服に目を落とした。
柏戸よりは多少ましな着方をしているがこの暑さだ、もちろんシャツは出している。
というか今時シャツをズボンに入れているやつなんてウチの学校では、同じ生徒会書記の木下ぐらいだろう。
メルマガ登録はこちら