A Missing One 第2話『朝、変わらない日常』その3


「カトちゃーん」
「カトちゃん言うな」
少し遠い後ろからの唐突な呼びかけに振り向きながら即答できたのは、俺の瞬発力が凄まじく優れているためか、それとも幼なじみとのいつもの会話だからこそできる所業なのかどうかはわからないが、とにかくこっちに向かって走ってくる少女、槙本は俺の幼なじみであり、
「うわっ!…とと」天性のドジだ。
なんとかこけるのをこらえた槙本は、今度は多少地面を気にしながら俺の所まで小走りでやってきた。
「またなにもない所でつまずいたのか?」
「こけてないからセーフだもん」と、またいつもの会話。
「槙本ちゃ〜ん!ちょっとこの、人でなしになにか言ってあげてよー」そして柏戸のブーイングは中学からいつもの会話として加わってきた。
「えっと…人でなし〜」
「そのまんまだな」小さい頃から全く進歩のないボケに、素早く切り返すと、槙本は少し慌てて
「じゃっじゃあ、えっと、えっと…怪物〜、とか?」

よくわからないことを言ってきた。

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