A Missing One 第3話『生徒会室へ』その2


…しかし今さらになって思うのは、一体誰がなんの理由でプールの水なんかを抜いたのかだ。泳げない、泳ぎたくない、という理由でわざわざ水を抜く奴はいない、…とは言い切れないか。
しかしそうだとして夏休み最後の日にやる必要性はあったのか?夏休み最初の頃にやっていたら、学校側が水を入れ直してしまうかもしれないからか…だとしたら犯人はかなり計画的だな。そこまでプールで泳ぎたくないならプールの日は休むか、診断書を適当に偽造して見学すればいいだろうに。
柏戸じゃないが、みんなが迷惑を被らない手段も考えてほしかったもんだ。それとも泳ぎたいが泳げない環境だったか?つまり水が汚いから新しく入れ替えてもらいたかったとか?…どんな潔癖症だ、それにそれなら水を抜くのを夏休み最初の頃にやっておくべきだし
…いや、そんな考え「それこそバカげてる」
「なにがバカげてるって?」思わず呟いた独り言を背後から返され、俺は突然に現実に引き戻された。
「楠か」振り向いた俺を出迎えたのは俺より1つ年上で、現生徒会の副会長をしている楠
「楠副会長、でしょ?」楠は人差し指で自分の胸を指して言った
「木下の真似をするようになったのか?」俺はあの一々うっとうしい突っ込みを入れてくる同じ会計の姿を想像し嘆息した。
「冗談よ。まぁ加藤くんが楠副会長って呼んでくれるのも悪くないけど」
「機会があれば」俺が投げやりに答えると楠は苦笑した。

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